浜離宮の2時50分
今年もまた浜離宮恩賜庭園でミニコンサートをさせていただきました。1時と3時の2回ステージです。本番10分くらい前になると控え室のある建物から出
て、綺麗な芝生や花菖蒲の間を縫って、会場であるあずまやに向かいます。つまり全く同じルートを2回歩く訳です。(リハを入れると3回ですね)
2回目の演奏に向かう途中、ふとある事に気付きました。同じ緑の風景なのに、植物の香りが1時の時とは違う!
1時の芝と3時の芝は違う?らしいぞ→芝の上を渡ってくる空気が違えば、その空気で笛を吹くと吹き心地も違う。芝の間を歩いてこられたであろうお客さん
の顔つきも!
よく考えれば、きっと当たり前の事なのでしょう。香料や薬草とする植物の収穫は早朝に摘まなければいけないものがあったり、光合成をするのは夜だったり。
どうして今まで気づかなかったか不思議なくらい、香りの変化はハッキリと感じられました。おそらく、私は今まで「植物の香りは2時間ぽっちではそれほど
変わらない」と思いこんでいたのでしょう。その思いが、私の嗅覚を鈍らせていた原因と推理してます。
植物達が太陽の高度が落ちていくのに合わせ、次第に夜の準備を始める意志的な香りは私に心地良い喝を入れてくれたように思います。「もっと目盛を細かく
空気読んで、吸って、吹け」って。
頭では分かりました。でも、演奏後しばらくは無気力気味なので、実践するよりも考えを巡らす方が楽だったりして。結果、よしなしごとの筆が進むなん
て・・・こらこら私。