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ワクチンの日 


インフルエンザの予防接種を受けてみようかと思い、予約を入れました。外出前の慌ただしい時、空気が乾燥していたのでお茶を飲んでおこうと思い、急須に茶葉とお湯を入れました。そして、お茶が出るまでの間、じっと待つよりは何か役立つ事をしようと考えました。そうだ、待合室で風邪をもらってしまっては笛吹き商売あがったりだから、マスクを出してきて口をピッタリカバー。ところでそろそろお茶も丁度良い頃だと思うので、マグに注いで口元へ・・・って、 飲めない!珍しく頭を働かしたのに、間がぬけてます。

その後、病院での順番待ちがとても長く、待合室のアクアリウムも見飽きてしまったので、記憶の隅っこからこんな事をぴっぱりだして考えていました。確かトラヴァースの「メリーポピンズ」に、少年が朝起きてベッドを降りる時、いつもと反対の側から降りたために、ツイてない1日になってしまうというストーリーがあったように思うのです。彼がもがけばもがくほど絶妙な間の悪さの連鎖が容赦なく降りかかる話です。以前はこの話を単なるおとぎ話と思っていましたが、そうでもないのかも。

例えば演奏中に、いわゆるノっている状態の時は、タイミングを合わせなくても自ずと合うように感じます。お客さんとの間合い、呼吸の間合いなど、時間の歯車に上に自分の歯車が自然とかみ合っていく気がします。逆に合わない時は、がんばってどこか一点に強力にテコ入れして修正したいものの、そうするとテコが折れちゃってやっかいになりそうで・・・。

「間」って不思議ですが、不条理ではない気がします。私の知らない条理が、そこにあるのでしょうか。ただ、それを見つけてぎっちりと握り締めたところで、間が悪いのと、間が抜けてるのは治らないのでしょう。「そうじゃなくて、ふんわり感じて、かるぅく乗っかっていけばー?」水槽の中のお掃除エビさんがそう言ったような気がした頃、やっと注射の順番が来ましたとさ。