真剣!楽器選び
「弘法筆を選ばず」という言葉があります。わたしは書についても諺について
詳しい訳ではないので「フム、そうなのね」としか言いようがないのですが、もしも
弘法さんが笛の名手だったとしても、新しい笛をお買いになるのなら、よ〜く選んだ
方が良いのではないかと思います。 理由として楽器の製作者によって操作性や基
準とする息圧の設定、音色に関する好み等に違いがあるからです。
どの種類の笛もそうですが特にオカリナの場合は焼き物独特の偶然性が加わって
個性の差が激しいため、オカリナの教室の生徒さんには「恥ずかしくてもちゃんと店
頭で試奏してから買ってね」とお願いしています。
「笛の音は吹く人の心を映し出す」う〜ん、それもまた真なり。人前で演奏する
際の心の動揺は呼吸の乱れにつながります。オカリナを始め、笛類の演奏は呼吸
の芸術でもあり、呼吸の安定は心の安定とぴったりつながっています。でもガサガサ
の音で吹いてる奏者がガサガサの心かというと当然違いますし、逆に「きれいな音!
きっと心がきれいなのね」と褒められてもモジモジと赤面するばかり・・・。
音色は演奏技術でも大きく左右されるし、私の場合ともかく半分は楽器のせい
(おかげ)なんですってば〜!
そんな訳で、私は楽器選びをとても大切に考えています。その楽器自体が出した
がっている音と吹き手が出したい音に共通点があったり、共通点はなくても異なる
個性のふれあいによって新しいフィーリングの音が生まれれば、それは両方にとってす
ごく幸せな出会いなのではないかと思います。
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